白手袋の真実?

 図書館では、貴重書を扱うときにその資料が傷むのを恐れて、職員や利用者が白い手袋をつけることがあるのだけど、それがかえって資料に良くないという記事(http://www.hozon.co.jp/hobo/archives/200512/hobo_0512.html#tebukuro)を見つけた。こ、これは…。私は仕事で貴重書に触れる機会が多いので、これはただごとではないのです。勿論この意見には異論反論がありそうですが、けっこう説得力があります。

石鹸で洗い、乾燥させた清潔な手の方が悪い影響はずっと少ない。もし頻繁に手を洗うことができない場合には市販の使い捨てのウェット・ティッシュやタオル(消毒用のアルコールを含ませてある)を使うのはとても良い選択だ。

 利用者への対応に追われながら貴重書の出納を行わなければならないから、ゆっくり手を洗うのは難しい。ウェット・ティッシュやタオルは置いてあると便利かもしれない。ただ、利用者が資料に触るときに利用者の手をどこまでしっかり管理できるかというとまた厳しいものがあります。この記事が紹介しているIFLA(国際図書館連盟)資料保存分科会のニューズレター International Preservation News (IPN) の最新号(No.37, December 2005)のほうを読んでみて、ちょっと考えてみたいと思います。
 この記事でもう一つ重要な指摘は、

手袋神話はまた、資料にとってもっと悪い影響を及ぼしている事柄を心理的に隠蔽してしまうことがある。保管場所の大気の汚染、高温、多湿、紙の中の酸性物などの方が、資料にとっては、はるかに有害であるのだが。

これです。管理の行き届いた保管場所の確保。このような利用者からは見えづらいが、とても重要なサービスをどうやって充実させるのか。これが難しい。



追記

この記事に関係して、さらに興味深い話がこちらに載っていました。
http://hvuday.seesaa.net/article/57605998.html
新しいツールでしょうかねえ。