利用者のマナーと図書館員のマナー

 最近電車の中で携帯電話で話している人をよく見かけます。耳が遠いのかもしれないがずいぶん大声で話している人と、肺活量が少ないのか口に手を当てて奇妙に小さい声で話している人に二分されるようです。どちらにしても電車の中で演説するにしては内容が乏しいように思います。
 電車の中にいるくらいだから当然図書館にもマナーを守らない人がいます。大声で話す人、携帯電話をかける人、飲食する人、本を返さない人、我が物顔でグループ閲覧室を占拠する人々、奇声を発する人、裸になる人、喧嘩を始める人、図書館員を恫喝する人などなど、、十人十色。図書館でマナーを守らない人はどちらかというとナンバーワンよりオンリーワンですね。
 図書館でマナーを守らなくても別に逮捕されるわけでもないし、罰金を取られるわけでもないし、拷問にかけられるわけでもないから、怖いもんなしなのでしょう。というわけで図書館員はいつもマナーを守って頂こうと腐心するわけですけど、なかなかうまいこといかない。いくら注意しても、マナーを守らない方はへっちゃらですので。だから図書館員もどんどん口調がきつくなります。でも流石にマナーを守らない方の眉間に拳銃を突きつけながら、笑顔で「飲食はご遠慮下さい」と言うことはできないので、やっぱりマナーを守って頂くのは難しい。口で言ってもわからないヤツは…なんてもってのほかだし。警察官だってそんなことは許されない。
 じゃあどうすればいいのだろうかと考えてみたときに、ふとじゃあ図書館員はどうだろうと振り返ってみました。図書館員は利用者の皆様にマナーを厳格に守って接しているのだろうかと。言葉遣いは丁寧だろうか。忙しいときに杜撰になっていないだろうか。本を受け渡すときはきちんと両手で渡しているだろうか。利用者の相談に対して満足頂けるように対応しているだろうか。背筋は伸びているだろうか。笑顔で不快感を与えないようにサービスしているだろうか。自分を振り返ってみると、できてない…。利用者に求める前に先ず自分がこれらをきちんとできるようにならなければいけないのだと思います。そしてその上で、どうしてもマナーを守って頂けない利用者の方には、黒いスーツを着て、ネクタイをして、笑顔で、「他の利用者の方のご迷惑になりますので御退室下さい」と言うべきなのでしょう。